こんにちは、まめおです。
近年、銀行金利は記録的な低さを続けており「貯蓄から投資・資産形成へ」という動きも徐々に本格化してきました。
貯蓄から投資・資産形成へ!
長く貯蓄偏重型を続けてきた日本でも、預金のみに頼らない積極的な資産運用を考え始める方が増えています。
そのようななかで資産性が高く価格の流動性が株式など他の金融商品よりも低いことから、手堅い投資として不動産投資へのニーズも高まってきました。
そうした人気を背景に広告はもちろん書籍やWebメディアにも、不動産投資で華々しい成功を遂げた例が数多く紹介されています。
しかし、やはりより学ぶべきはその影にある失敗例であり、それを踏まえたリスクの回避策ではないでしょうか。
そこで今回は不動産投資で陥りがちな知識不足による失敗例について取り上げ、どこにその原因があるのか考えていきたいと思います。
この記事を読むことによって、華やかな成功例に隠れた失敗例を知り、そこからリスク回避のために何をしていけばいいのかをイメージすることができるようになると思います。
知識不足による失敗例
営業のうたい文句を知る
まず最も単純で多い失敗例は、営業の話にのって投資用物件を購入してしまうケースです。
自宅に不動産関連の営業電話がかかってきたり、インターネット上やメールで広告を目にしたりしたことはありませんか。
こうした業者は、「資産形成に」「税金対策に」「生命保険代わりに」といったうたい文句で投資への参加を促してきます。
医者や弁護士など一定以上の社会的ステータスをもった企業に勤めるサラリーマンや経済的余裕のある高齢夫婦などがとくに狙われやすく、不動産投資に高い興味があったわけではないけれど、ふとしたきっかけで魅力を感じ言われるがまま十分な知識もなく決断してしまいます。
ケースを知る
こうしたケースでは、とくに新築区分マンションの投資が多く、例えば以下のような事例が典型的です。
地方主要都市の駅から徒歩6分、2,300万円の物件で購入時諸費用は200万円、家賃収入として月々10万円が見込めるとします。
諸費用と物件費の一部である500万円は頭金で支払い、残りの2,000万円を借入、修繕積立金・管理委託費・月額の返済分を毎月支払っていくとして、キャッシュフローでは数千円マイナスになる計算です。
キャッシュフローがマイナスならばやめようと思うかもしれませんが、減価償却費で大幅な節税になり確定申告によって数十万円が還ってくるからプラスになる、また、めったに出ない資産価値も高い場所の物件で今購入しておかなければこうしたチャンスはそうそうないなどと、業者は早期の決断を迫ってきます。
確かに月に1度の外食費程度の出費だけで優れた物件が手に入り、返済が終われば資産は残って家賃収入も満額望める、返済期間中も税制メリットがある、団信保険を付ければ万が一のことがあっても借金は残らないとなればよい話のように思えてくるでしょう。
【キャッシュフローはマイナスだけど…】
- 減価償却費で大幅な節税になり確定申告によってプラスになる。
- こうしたチャンスはそうそうない。
- 返済が終われば資産は残って家賃収入も満額望める。
- 団信保険を付ければ万が一のことがあっても借金は残らない。
実際のリスクを知る
しかし、実際はそううまくはいきません。
まず資産となったことで固定資産税や都市計画税などの税負担が増加します。
必ず入居者があるとは限らず新築時には埋まっても数年後には空室が発生しやすくなり家賃収入が減少します。
入居者募集のため広告料負担を求められたり、魅力アップや入替時の修繕費用を求められたりと一時追加負担が増え、損失がかさんでいきます。
また節税の効果は当初発揮されても、将来にわたって続くものではなく数年でほぼなくなってしまいます。
諦めて売却を決断してもその際には抵当権を外す必要があり、借入金の残余分を一括返済しなければならず売却額を高く設定せざるを得ませんが、新築区分マンションの場合は物件価格の下落が激しいため、およそ残りの債務より査定額に基づいた売却可能額の方が低くなりやすく、保有し続けても手放しても損失を被るという事態に追い込まれてしまいます。
複数の物件を保有・運用していれば、それだけ損失の幅も大きくなり、深刻な失敗となるでしょう。
- 資産となったことで固定資産税や都市計画税などの税負担が増加する。
- 入居者があるとは限らず新築時には埋まっても数年後には空室が発生しやすくなり家賃収入が減少する。
- 入居者募集のため広告料負担を求められたり、魅力アップや入替時の修繕費用を求められたりと一時追加負担が増え損失がかさむ。
- 節税の効果は当初発揮されても、将来にわたって続くものではなく数年でほぼなくなる。
- 売却を決断してもその際には抵当権を外す必要があり、借入金の残余分を一括返済しなければならず売却額を高く設定せざるを得ない。
- 新築区分マンションの場合は物件価格の下落が激しいため、およそ残りの債務より査定額に基づいた売却可能額の方が低くなりやすい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は知識不足にともなう失敗例について見てきました。
事前の下調べを十分に行わない不動産投資、とくに広告費やプレミアムがのった新築価格での物件購入による運用開始はリスクが大きいことを覚えておいてください。
広告費やプレミアムがのった新築価格での物件購入による運用開始はリスクが大きい。
近年は「自己資金0円で始める不動産投資」など、ノンバンク系金融機関を用いたオーバーローンによる自己資金の持ち出しなしという仕組みを付ける業者もみられていました。
この場合、月々の金利が高く返済負担が過重となって信用情報にも影響を与えかねないなど、さらにローン面の問題も重なってきます。
手軽さや目先のメリットで安易に決断せず、十分余裕のある資金計画と運用戦略をもって始めることが大切です。