こんにちは、まめおです。
おうちを買うと決めたのに、その売出価格が高いのか安いのか・・・
不動産の価値は簡単には分かりにくく、価格もさまざまな要素によって左右され素人には分かりづらいのが現状です。
- 土地はひとつとして同じ立地はない。
- 建物はひとつとして同じスペック・コンディションのものはない。
ひとつとして同じものがなく、さまざまなタイプが存在する中古のおうちを、公正に、また合理的に評価するため、どういった方法や基準を用いて評価したらいいでしょうか?
そのように悩まれたときは、不動産の価値を判定するプロである「不動産鑑定士」に相談してみてはいかがでしょうか?
不動産鑑定評価という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
不動産鑑定評価は不動産のもつ経済価値を判定し価格として示すもので、国土交通省または都道府県に登録されている不動産鑑定業者にのみ行うことが認められています。
そしてこうした業者の業務として実際に不動産の鑑定評価を行うのが、国土交通省に登録されている不動産鑑定士です。
今回は不動産鑑定士が中古のおうちをどのように評価していくのかを見ていきたいと思います。
この記事を読むことによって、不動産鑑定士の役割・評価方法、また、価格査定の考え方などをイメージすることができるようになると思います。
不動産鑑定評価基準ってなに?
不動産鑑定士は「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいて制定された「不動産鑑定評価基準」という統一的な基準に基づいて鑑定評価を行っています。
- 社会における価格秩序のなかで、対象不動産の価格がどのような位置どころにあるのかを高度な知識と豊富な経験・的確な判断力をもって評価すること
- 通常の物品取引において機能しているような合理的な市場の評価機能を、特殊性の強い不動産において代替・機能させること
- 不動産鑑定士は鑑定評価にあたり、常にこの基準に準拠すべきと規定
- 不動産鑑定評価基準は、これ自体が通常の法令のように扱われるものではありませんが、鑑定士が評価の拠り所とすべき統一的なものであることは法的に定められています。
- 内容は全般について基本を定めた「総論」と、不動産種別を踏まえた具体的評価指針を示す「各論」で構成されています。
1964年に初めて制定され、現在は2014年に改正されたものが有効となっています。
評価の流れ
受付から評価方式の適用まで
- 鑑定評価依頼の受付
- 対象となる中古のおうちなど不動産の物的確認、権利関係や状態の確認
- 関連する各種資料の収集
- どういった権利を評価するのか、またいつの価格を評価するのかを明確化
- 地域や個別物件の市場分析を通して価格形成要因を分析
【価格形成要因は3つ】
- 自然的な要因や社会的要因・経済的要因・行政的要因をあわせた一般的要因
- 一般的要因の相関関係で形成された地域特性・その地域に属する不動産に影響を与える地域要因
- 土地や建物その敷地区分といった個別的要因
評価方式の適用から価格の決定まで
- 関連資料を十分に集め検討したうえで実際の価格を算定する評価方式を用いて評価
- 各試算価格を試算したあとにさらに調整したうえで最終の鑑定評価額を決定
- 鑑定評価報告書を作成
- 評価額とその決定事由・自らの判断や意見を提示
評価方式は3つ
鑑定評価には複数の方法があり、価格に関しては主に3つの方式がとられています。
原則としてこの3つを併用することとされていますが、不動産の特性に応じてどう用いるかが決まります。
原価法
いま売りたいおうちと全く同じものを建てたとしたらどれくらいの金額が必要になるかを計算し、建築後の経年劣化による価値低下分を差し引いて現在の価値として算定する方法です。
中古のおうちでは、これが最も一般的に用いられます。
取引事例比較法
類似する条件での不動産取引事例を収集して比較検討し価値を決定する方法です。
市場動向や地域要因などを加味して調整し、試算としての価格を割り出します。
収益還元法
その不動産が将来生み出すと考えられる利益を見据え価値が決定され、主に直接還元法とDCF法の2種類があります。
- 直接還元法:一定期間に生み出される純利益を還元利回りで還元する方法
- DCF法:連続する複数の期間で発生する利益と価格を発生時期に応じて現在の価値に割り引き、それぞれを合計して価値とする方法
主に投資目的での不動産価値算定に用いられます。
まとめ
不動産鑑定士による鑑定評価は法律に基づき統一された不動産鑑定評価基準に則って行われるもので、一般の人では分かりにくい不動産の適正価格をプロフェッショナルな視点や多角的な観点から明示してもらえるものとなっています。
なお、より短期間で安価に目安となる価格を知りたい、中古のおうちの売出価格を決める参考材料にしたいといったニーズに応えるものとして「不動産調査報告書」の作成も行われています。
不動産鑑定評価書のように正式な統一基準に則ってはいないものですが、手軽に不動産鑑定士のサービスを受けられ、物件の時価を素早く把握できるメリットがあります。
売買や相続などですぐに時価を知りたい場合などは、この調査報告書を利用し参考とするのもよいでしょう。
いかがでしたか?
中古のおうちを買うと決めた時に一番知りたい情報は、そのおうちがいくらなのかという情報ではないでしょうか?
不動産価値判断のプロである不動産鑑定士に相談するのが一番心強いかもしれませんが、評価方式の考え方を応用して自ら検討しておくことも大切です。
今やインターネットから不動産に関する情報の多くを入手することが可能です。
多くの情報を収集して、人生のにおいて一番おおきな買い物になるかもしれないおうちについて十分に検討し、納得して契約に臨みたいものですね。