こんにちは、まめおです。
最近よく聞くインスペクション。
大きな買い物であるおうちの売買のときに利用するといいらしいと聞くけど、具体的に何をするのか分からないと思っていませんか?
- どんな機材を使って調査するのか?
- 床や壁が傷んだりしないか?
- おうちのどこまで見てくれるのか?
特にはじめて利用する場合はなおさらです。
今回はそんなインスペクションの具体的な検査内容を説明していきたいと思います。
この記事を読むことで、最近よく聞くインスペクションの具体的な検査内容をイメージすることができるようになると思います。
基本は非破壊・目視の範囲
インスペクションは、検査専門会社や建築設計事務所、不動産系列事業者などから提供されています。
基本は非破壊で目視による基本性能診断が中心となりますが、詳細な内容は依頼するところによって異なります。
また、対象となる建物の種類や構造などでも異なり、実施内容によって費用も違ってきますので、事前に依頼する目的を明確にし、その検査を一括して行ってくれる信頼と実績のある業者を選択するのがいいと思います。
それではほぼ共通する非破壊・目視による基本性能診断を中心に、おおまかな流れに沿ってその内容を見ていきたいと思います。
使用機材の種類
インスペクターは調査対象のおうちを汚さないように、スリッパと軍手を着用して調査を行うのが基本です。
おうちの床や壁の傾きを調べる測定レーザー機器、基礎や壁のひび割れをはかるためのクラックスケール、角度や傾斜をはかる水平器、長さをはかるコンペックス、塗料の浮きなどを調べるための打診棒などの機材を用いて建物の状況を調査します。
- スリッパ
- 軍手
- 脚立・脚立カバー
- スケール
- 懐中電灯
- 測定レーザー機器
- クラックスケール
- 水平器
- コンペックス
- 打診棒
- オペラグラス など
外観調査
まずは建物の外観を点検していきます。
瓦のずれ、外壁のはがれやクラック、樋の破損など、おうちの外部から分かる部分を目視で調査していきます。
基礎
ひび割れや水染みなどの有無
・幅0.5mm以上のひび割れ
・深さ20mm以上の欠損
・鉄筋の露出
・さび汁
・爆裂
・蟻害・蟻道
外壁
ひび割れや浮き、剥がれ、ずれ、腐食、変退色、顕著な汚れの有無
・シーリング材の破断、欠損、接着破壊
・チョーキング
屋根
雨漏りの浸入を防止する部分を中心に変形やひび割れ、剥がれ、腐食、変退色の有無、軒裏や雨樋の破損部分の有無
【接合部】
・接合金物の著しい不足
・木材端部の割裂
バルコニー
支持部材の腐食や欠損、破断の有無
建物外周
配管配線貫通部・面格子・窓手摺などの外部金物の錆や腐食、ぐらつきの有無
外部階段がある場合はその傷み具合
室内調査
次におうち内部の調査を行います。
まず、床や柱に傾きがないかどうかレーザー機器を用いての調査が中心となります。
【床】
・3m以上の距離で6/1000勾配の続く傾斜
・沈み
・床鳴り
・きしみ
・下地材まで到達するひび割れまたは劣化、腐朽
・蟻害、蟻道
【壁】
・高さが2m以上で6/1000が続く傾斜
床・壁・柱
安全性に問題がある可能性を示す傾斜の有無、剥がれや腐食・かび、顕著なきしみの有無
小屋組み・梁・床組
構造耐力上の主要部分における劣化状況や接合不良の有無
サッシ・ドア・シャッター・雨戸
動作不良の有無
設備調査
主に排水管接続部に漏れなどがないか調査します。
給排水設備
給水管・給湯管、配水管などの詰まりや水漏れ、発錆による赤水の有無
【給水】
・著しい給水量不足
・水の著しい変色
・給水管からの漏水または漏水痕
【給湯】
・機器からの漏水跡など著しい劣化
・製造年
換気ダクト
脱落や接続不良による換気不良の有無
天井裏調査
天井裏にある小屋組について、天井点検口があるおうちでは、点検口より天井裏を調査します。
【木部(ボード等を除く)】
・構造材の過度の切り込み
・梁の著しいたわみ
【木部全般】
・雨漏りの痕
・漏水または漏水の痕跡
床下調査
床下点検口若しくは床下収納を取り外して、おうちを支える基礎の様子を調査します。
【コンクリート】
・幅0.5mm以上のひび割れ
・深さ20mm以上の欠損
・鉄筋の露出
・さび汁
・爆裂
・蟻害・蟻道
【設備配管等】
・漏水または漏水の痕跡
・割れ
・へこみなどの破損
オプション
オプション調査には別途費用が発生する場合がありますので、よく説明を受けてから必要に応じて選択してください。
・鉄筋探査機による詳細調査
・リバウンドハンマー(コンクリートの圧縮強度を測定するための機器)による詳細調査
・床下に入って行う詳細調査 など
調査完了時
最後に、建物の居住者や管理者へ漏水や雨漏りなどに関するヒアリング調査などを実施し、最終的に検査結果報告書として現況を分析した結果をまとめ、依頼者に手渡して診断完了という流れになります。
まとめ
インスペクションを活用し、おうちの専門知識を有するプロに第三者的な立場から調査してもらうことで、おうちの現況を適正に分かりやすく把握することができます。また、必要な補修工事などの範囲がわかり、リフォームを効果的に行うことができます。
まだまだ知名度は低いインスペクションですが、その内容を知って信頼できる業者を選び、大いに活用していくことをおすすめします。