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【覚書】おうちに帰属する権利義務【売主が第三者と交わした約束とは?】

覚書

こんんちは、まめおです。

おうちを買うと決めてから信頼できる仲介業者に依頼していたところ、とてもいい感じのおうちが見つかった!

さっそく業者の方が物件調査をしてくれたし、

調査
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物件調査の内容を重要事項説明書にまとめ、専門家である宅地建物取引士が説明をしてくれたし、

重要事項説明書
【基本】重要事項説明書は難解だけど【トラブル回避の第一歩】 こんにちは、まめおです。 家を買うと決めたとき、大きな買い物を前に極度に緊張して、何か説明を受けたけどすっかり説明があったことや...

業者からの斡旋を受けてインスペクションをしたときの建物状況調査の結果の概要もついていたし、売主が持っていたおうちに関する建築・維持保全に関して保存していた書類も引き継いでくれそうだし、

重要事項説明書
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業者の調査だけではわからない売主しか知らない事実も物件状況確認書(告知書)としてまとめられているし、

告知
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引き継ぐ設備のの範囲や状態が分かる付帯設備表も丁寧にまとめてもらっているし、

設備
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さあ、これで完璧、あとは契約書にハンコを押すだけと思っていませんか?

ちょっと待ってください!

不動産の取引では、おうちの売主(所有者)が特定の相手方と個別に合意した権利義務がある場合は、買主はこれらの権利義務を引き継ぐことになります。

  1. 建物の屋根のひさしが隣地に出ている
  2. 隣の塀がこちらに出ている
  3. 上下水の配管が隣地から引き込まれている など

これらの問題について売主が第三者と話し合いのうえ合意し覚書を交わしている可能性があります。

事後のトラブルを回避するためにも、おうちに帰属する権利義務を定めた覚書が存在するのかを確認し、ある場合は売主からきちんと説明を受け引き継ぐようにしてください。

この記事を読むことによって、売主が第三者と交わした覚書の内容、またそれを引き継ぐことの大切さを理解しイメージすることができるようになると思います。

覚書と念書の違い

覚書

  1. 2人以上の当事者が一定の事項について相互に合意した内容を確認するための書面
  2. 合意内容や事実を証するために作成する略式の書面
  1. 契約書の前段階や補完・変更するためのもの
  2. 契約書を作成するほどでもない簡単な取り決め

書面には双方が署名押印する

念書

  1. 当事者の一方が他方当事者に差し入れる書面
  1. 差し入れ側が相手方に対し一方的に義務を負担するもの
  2. 一定の事実を認めるもの

書面には念書を差し入れる側の署名押印のみ

売主が第三者と交わした覚書

不動産の取引きで出てくる覚書の代表的なものに「越境」と「地役権」があります。

越境

敷地境界線をまたいで建物の一部や塀などの構築物が隣地に越境している場合または越境されている場合

【覚書の内容】

  1. 越境の事実を確認したうえで、越境した建物(構築物)の建替え等を将来行う場合に敷地境界線の内側に収めること
  2. 覚書の効力については第三者に譲渡した場合でも承継させること など

隣地との境界が未確定であれば、最初に「筆界確認書」を隣地所有者との間で作成しましょう!

地役権

  1. 一定の目的のために「他人の土地を利用する物権」として民法で定められている権利
  2. 要役地:利用価値が高まる土地
  3. 承役地:利用される側の土地

通行地役権

  1. 公道に出るために他人の土地を利用している場合にはその範囲使用料について覚書を交わしておくといいでしょう。
  2. 範囲については人が通れる範囲なのか、車が通れる範囲なのか、意外と双方の認識が異なることがあります。

引水地役権

  1. 上下水やガス管について隣地所有者と土地使用に関する契約書を締結している場合にはその契約書の原本を引き継ぎましょう。
  2. 契約書がない場合には、売却の前に覚書を交わしておきましょう。
  3. あわせて排水管の位置深さなどを図面化しておくといいでしょう。

送電線地役権

  1. 送電線の電圧によって、送電線までの距離建てれる建物の高さなどが異なりますので、制限される内容をきちんと確認し、契約書がない場合は覚書を交わしましょう。
  2. 制限に伴う対価は一時金として既に支払われているのか、毎年支払われる形式なのか確認しておきましょう。

眺望地役権

  1. 要役地の眺望を確保するために制限される高さの規制など、制限される内容をきちんと確認し、契約書がない場合は覚書を交わしましょう。
  2. 制限に伴う対価は一時金として既に支払われているのか、毎年支払われる形式なのか確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

おうちに帰属する権利義務について売主が第三者と交わした覚書等があった場合、買主はこれらの権利義務を引き継ぐことになりますので、その存在について売主に確認し、きちんと引き継ぐようにしてください。

また、必要な覚書がない場合は売主の段階で特定の第三者と合意した覚書の作成を求めるべきです。

売主の事情で覚書作成の時間がないなどの理由で値下げのうえ早期契約締結を急いでいる場合は要注意です。

その内容を見極めしっかり対応していきましょう。

以上、おうちの売買にあたり必要となる書類を確認してきました。

不動産の取引きにあたり大切な書類
  1. 重要事項説明書
  2. 建物状況調査の結果の概要
  3. 物件状況確認書(告知書)
  4. 付帯設備表
  5. おうちに関する建築・維持保全に関して保存していた書類
  6. 覚書 など

おうちを買うと決めたとき確認すべき書類は本当に多くあります。

この記事では、その中でも特に覚書を中心に見てきました。

覚書は事後のトラブルがあったとき、売り手と買い手双方の合意内容を再確認するためにも必要な書類です。

売買契約は双方の意志を反映しておこなうことができ、また決めごとを書き残しておく重要性は不動産の中でも特に土地売却で重要とってきます。

ある程度の書類については宅建業者が用意しサポートしてもらえる内容となりますが、買主自身がおうちの取引きにあたり必要となる書類を把握し、売買契約締結前に自ら確認していくことが重要です。

そのなかで分からないことがでてきたら、仲介を依頼している宅建業者にどんどん質問し疑問を一つ一つ解決していきましょう!