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【祝50】士業連携のビジネススキームについて【不動産鑑定士の視点から】

スキルアップ

こんにちは、まめおです。

このブログをはじめて前回の記事で50記事をUPすることができました。

ここまで続けてこれたのも応援して頂いたみなさまのお陰だと思っています。

感謝しています。

そこで今回は一区切りとして、私が過去にファシリテーターを務めたものの公表されなかったスキーム「不動産鑑定士の視点から見た士業連携のビジネススキームについて」をこの場を借りてUPし、不動産鑑定士のみなさまに今後のビジネスモデルを考える素材を少しでも提供できたらと思います。

概要

日本の高度成長期が終わり低成長期成熟社会を向かえ人の価値観や考え方が多様化すると、「成長が一番」という考え方から「自分らしさ」「社会還元」という考え方へ価値観が移行してきます。

そのような低成長期・成熟社会における営業戦略としては、お客さまの潜在化している欲求(潜在ニード)をつかみ提案する力、不動産鑑定業界だけにとらわれない多面的な解決策の提案組織営業・士業連携等のマネジメント、そして社会貢献から共感をキーワードとしてビジネスへ繋げていくマーケティング力が必要になってくると思われます。

【キーワード】

  1. お客さまの潜在化している欲求(潜在ニード)をつかみ提案する力
  2. 不動産鑑定業界だけにとらわれない多面的な解決策の提案
  3. 組織営業・士業連携等のマネジメント
  4. 社会貢献から共感
  5. ビジネスへ繋げていくマーケティング力

そのような社会の変化に今の士業連携は対応できているのかという視点で議論を進め、最初に今ある士業連携の分類、そこでの不動産鑑定士の立ち位置営業力の有無評判等の確認、最後に理想の士業連携とは何かという切り口で話し合いを行います。

グループ討議の流れ

  1. 会議室の前面にあるホワイトボードに下記の自己紹介シートをあらかじめ用意
  2. 参加者は自己紹介を兼ながら、現在参加している士業連携等を自己紹介シートに記入
  3. 今ある士業連携の問題点を抽出
  4. 理想の士業連携としていくためには何が必要か?
  5. まとめ

意見その他

Ⅰ.問題点の抽出

  1. 簡易評価査定書を求められるケースが多い
  2. 地方では地元で信頼のある人とどう出会うかが大事
  3. 実は他士業が顧客に一番近く不動産鑑定士は遠い
  4. 各士業は自分の得意分野の商品だけを売る傾向にある
  5. 総合的なコンサルが出来ていない
  6. 今見られるM&Aの評価は粗い査定しかされていない

Ⅱ.理想の士業連携としていくためには何が必要か?

  1. セルフマーケティング・自分の(業界の)強み弱みを知る
  2. 自らの(業界の)の評判を確立し、それを高め管理していく
  3. 営業力は専門性人間関係構築力
  4. 富士山のように高い専門性裾野が横に長い人間関係構築力
  5. 但し、時代の動きが早いため、専門性の連続的習得が必要
  6. 士業連携は一つではない ①不動産鑑定+資産評価+医療等 ②不動産鑑定+資産評価+中小企業 等々
  7. 複数のプロジェクトに参加
  8. 専門知識を武器にプロジェクト単位で動く流動的なフリーエージェント型の連携

Ⅲ.次回への持ち越しテーマ

「不動産鑑定業界における個人事務所からの脱却そして組織化(連携)へ」

組織というと会社に集まって大人数で働くというイメージがありますが、テクノロジーの発展によりインターネット環境の充実が見られるなか、スケジュール管理意思の疎通をネット環境で行えば、個人事務所の連携も可能なはずです。

これからの時代はテクノロジーの発展グローバル化の影響というものを無視することはできません。

一人の力では太刀打ちできなくなる時代が必ず来るはずです。

如何に売れる組織をデザインし、組織全体として専門性を高めていくのか!

真剣に検討する必要がすぐ来るものと考えていますので、次の会議のテーマの一つとして提案します。

まとめ

不動産鑑定士をはじめとする士業の資格は高度成長期の時代の要請に応じて発足しているものが多く、高度成長期では官公庁に提出する書類作成代行業や下請け業によりある一定の売上げが見込めました。

しかし、日本の高度成長期が終わり低成長期・成熟社会になると人の価値観や考え方は多様化し、「成長が一番」という考え方から「自分らしさ」「社会還元」という考え方の価値観に移行してきました。

そのような低成長期・成熟社会における営業戦略としては、お客さまの潜在化している欲求(潜在ニード)をつかみ提案する力、不動産鑑定業界だけにとらわれない多面的な解決策の提案組織営業・士業連携等のマネジメント、そして社会貢献から共感をキーワードとしてビジネスへ繋げていくマーケティング力が必要になってくると思われます。

そのような社会の変化に今の士業連携は対応しているでしょうか?

今見られる士業連携は部分最適解のみの提案になっていないでしょうか?

例えば、相続対策を相談された時に
  1. 市中銀行の立場では → 融資が出るのでアパートを建てましょう
  2. 宅建業者の立場では → 売買しましょう
  3. 保険会社の立場では → 生命保険を使った対策をしましょう
  4. 信託銀行の立場では → 投資信託を使って増やしましょう
  5. 税理士の立場では  → 生前贈与を検討しましょう

だけの提案になっていないでしょうか?

また、違う角度からの問いかけですが、

士業連携のなかで不動産鑑定士は何をアピールできているでしょうか?

セルフマーケティングを行い、自らの(業界の)強み弱みを知り、自らの(業界の)評判を確立し、それを高め管理していく必要があるのではないでしょうか。

営業力とは高い専門性と横に広がる人間関係構築力

富士山のように高い専門性と裾野が横に広がる人間関係構築力をいかに築いていけるのか?

但し、時代の変化が早いため、大変ではありますが、常に専門性の連続的習得は必要になってくるはずです。

常に専門性の連続的取得

今後の不動産鑑定業界は簡易評価の大量受注の分野高度な鑑定評価理論を深め応用する分野コンサルティング分野等について社会からの期待が高まってくると思われますが、全て一人の不動産鑑定士で対応していけるのでしょうか?不動産鑑定業界は個人事務所での活動が多いですが、そろそろ売れる組織をデザインし、組織全体として専門性を高める必要がでてきているのではないでしょうか?

売れる組織をデザインし、組織全体として専門性を高める必要

今後の不動産鑑定業界は簡易評価の大量受注の分野高度な鑑定評価理論を深め応用する分野コンサルティング分野等について社会からの期待が高まってくると思われますが、全て一人の不動産鑑定士で対応していけるのでしょうか?不動産鑑定業界は個人事務所での活動が多いですが、そろそろ売れる組織をデザインし、組織全体として専門性を高める必要がでてきているのではないでしょうか?

我々不動産鑑定業界が組織化され高い専門性を手に入れた時、人間関係構築力の延長にある士業連携のなかにおいて我々不動産鑑定士の本来の立ち位置が見えてくるはずです。

鑑定評価基準第一章には次のような言葉があります。

~高度な知識と豊富な経験及び的確な判断力を持ち、これらが有機的かつ総合的に発揮できる練達堪能な専門家~

~自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、公平妥当な態度を保持~

我々不動産鑑定士は業として鑑定評価を行う時は市場に成り代わって中立で公正でなければならず、業としてコンサルを行う時はお客さまの利益を最大化するために動くことを社会から期待されています。

そしてその社会からの期待に応えるために、商品や業者の利益にとらわれない客観的、第三者的立ち位置から多面的な解決策の提案をすることができる不動産鑑定士を中心に、「お客さまの利益を最大化するための全体最適解の提案ができる士業連携の構築」が社会から期待されているはずです。

商品や業者の利益にとらわれない客観的、第三者的立ち位置から多面的な解決策の提案をすることができる不動産鑑定士

お客さまの利益を最大化するための全体最適解の提案ができる士業連携の構築

さらに不動産鑑定士がどういう知的資産専門性の持ち主であるかということを広く知って頂くことにより、社会からの期待がより高まっていくものと思われます。

まめお

業界全体として漠然と向かえる未来ではなく、主体的に掴む未来に期待しています!

最後に私的な提案になりますが、士業連携は何も一つだけではありません。

複数の士業連携に主体的に参加し、不動産鑑定士の専門的知識を武器にプロジェクト単位で動くフリーエージェント型連携の構築という新たなビジネススキームを提案して今回の結びに替えたいと思います。