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【遡及】リコースとノンリコース【今後の金融商品のあり方は?】

ローン

こんにちは、まめおです。

みなさん、通常「ローン」と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか?

単に「ローン」といってイメージされるものは、返済ができなくなった場合に債務者から差し入れられた担保を売却しますが、その担保価値が目減りしていてなお債務が残る場合には他の担保の追加を求められたり人保証などに遡及していったりと支払い義務が広がっていく「遡及型ローン」と呼ばれるものではないでしょうか?

【遡及型ローンで担保価値が目減りしていてなお債務が残る場合】

  1. 他の担保の追加を求められる。
  2. 個人保証などに遡及し支払い義務が広がる。

一方で最近よく耳にするようになった言葉として「ノンリコースローン」があります。

一般的なローンとは仕組みを異にするノンリコースローン(Non-recourse debt)は、その名の通り「non()recourse(返済の頼みとするものへの遡り)」で“償還請求を行わないローン”を意味し、「非遡及型ローン」と呼ばれるものになります。

融資資金の回収は最悪の場合でも差し入れた担保までしか及ばないので、これを売却すれば返済義務が残ることはありません。

【非遡及型ローンで担保価値が目減りしていてなお債務が残る場合】

  1. 融資資金の回収は差し入れた担保までしか及ばない。
  2. 差し入れた担保を売却すれば返済義務が残ることはない。

今回は多種多様なローンの中でも注目度上昇中のノンリコースローンを見ていきたいと思います。

この記事を読むことによって、ノンリコースローンの仕組みや今後の金融商品への展開の可能性を知り、ローンを賢く比較検討する基礎知識を身につけることができるようになると思います。

ノンリコースローンの考え方

借主側の視点

日本ではまだあまり広がっていないノンリコースローンですが、米国などでは一般的にみられるローン形態で、住宅ローンとしてもこのノンリコースローンによる融資が多くなされています。

  1. 仮に売却された担保の価値がその時点で目減りし融資金額に満たない額しか回収できなくなっても、その残額における返済は免除される。
  2. 不動産を担保として用いるノンリコースローンならば、借主側のリスクはその担保不動産物件のみに限定される。
  3. 万が一返済不能に陥ってもその他の資産に影響を及ぼす心配がない
  4. リスクを最小限に抑えた高額融資を実行しやすくなる。

【借主側のメリット】

  1. 売却後に再び資金計画と投資方針を変更して実行できる。
  2. 事業の立て直しを図ることも可能となる。
  3. いずれも通常のローン処理として取り扱われることから信用情報に載らない

金融機関側の視点

逆に融資する金融機関側は返済が滞った場合に担保資産以外の回収手段を失うこととなるため、遡及型ローンよりも大きなリスクを負うことになります。

  1. 金融機関は融資実行時に担保の将来価値を把握しての融資判断となる。
  2. できるだけ担保割れを起こさないよう、より厳密にその資産価値を評価し精度の高い審査を行うことになる。

【金融機関が引き受けるリスク分として】

  1. 通常よりも高めの金利を設定する。
  2. 返済期間を短くする傾向があります。
まめお

借主として利用する側も、こうした特性を理解し融資条件をよく確認して契約する必要があるでしょう。

融資判断の内容

ノンリコースローンの場合、具体的な金利や審査内容は提供する金融機関が個別に設定するものとなりまだまだ統一的な基準が見られないのが現状です。

【融資判断の基準とされているものの一例】

  1. 借主側の要望や計画
  2. 担保資産が不動産であれば、その立地条件・建物スペック・市場価値・権利関係などの詳細を加味して査定

現在の利用場面

日本では、主に不動産業者やその他法人・不動産ファンド・賃貸オーナー向きの大型の不動産購入資金における融資がほとんどとなっています。

  1. 一棟マンション
  2. 収益ビル
  3. 商業施設 など

もちろん個人が不動産運用・投資などで用いるケースもあります。

ハードルは高いと予測されますが金融機関と相談していく価値はあります。

  1. 高い評価が見込まれる収益物件を選んで担保とすることが求められる。
  2. 十分な運用計画・事業計画が求められる。

まとめ

いかがでしたか?

この記事ではノンリコースローンの考え方を中心に、融資判断基準や現状の利用されている場面などを見てきました。

ノンリコースローンはまだまだ身近なものではありませんが、マイナス金利の影響などでローン金利が全体に低下してきているほか、中古のおうちの建物評価の精緻化市場活性化を図る動きも進んでいるため、今後は日本国内でもノンリコースローンがより身近になっていくとも考えられます。

最近では、住宅金融支援機構が提供している「リ・バース60」のノンリコース型が人気となっています。

また来年度以降に官民での検討がはじまる「残価設定型住宅ローン」における買取保証部分についての考え方においてもノンリコースという考え方が重要になってくると感じています。

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ローンを利用するならできるだけ良い条件で組みたいのは当然のことです。

賢く比較検討するためにはそれだけの知識が必要となりますので、ぜひこの機会に基礎を身につけ知識を蓄えていきましょう。