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【蓄積】住宅履歴情報の活用について【おうちの履歴書これからの新常識】

履歴

こんにちは、まめおです。

あなたの人生において最も大きな買いものになるかもしれないおうちは、誰にとっても大切な財産です。

  1. 理想の住宅を手に入れたら長く大切に使いたい!
  2. 手放すことになってもできるだけ価値のある状態で譲りたい!

そう考えるのは当然ですよね。

そうした長く住み続けるため、おうちの価値を維持するため「住宅履歴情報」という仕組みが整備されはじめています。

今回はこの「住宅履歴情報」とはどういうものなのか見ていきたいと思います。

この記事を読むことによって、住宅履歴情報の内容、そのメリットや活用方法などをイメージすることができるようになると思います。

住宅履歴情報とは?

  1. 住宅履歴情報は、「いえかるて」「住宅履歴書」「住まいの履歴書」などとも呼ばれます。
  2. そのおうちの設計に関する情報から施工維持管理・権利関係に関する情報などまで、そのプロフィールを総合的にまとめたもの。
  3. いつ・誰が・どのように新築や修繕、改修・リフォームなどを行ってきたのかを記録したもの。
まめお

まさに住宅の“履歴書”にあたるものですね!

  1. 2009年に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行され、長寿命な住宅の認定制度がスタートしました。
  2. 耐震性や省エネルギー性、劣化対策などの条件を満たし「長期優良住宅」の認定を受けた住宅では、この住宅履歴情報の作成と蓄積・保存が義務づけられてもいます。

長期優良住宅の認定を受ける場合には間違いなく作成しなければなりませんが、それ以外のおうちを所有されている方でも、住宅履歴情報は活用価値があり、作成・保存するメリットもあるものとなりますので、ぜひここでその仕組みを知っておきましょう。

国のねらい

住宅の新築・改修・修繕・点検などの各場面において作成される設計図書・施工内容・点検結果などの情報が蓄積され活用される仕組みの整備とその普及を推進する。

住宅所有者の住宅に関する便宜・利益を増進するとともに、円滑な既存住宅流通を促進し、さらに、適切な維持保全・改修等による住宅ストックの質の維持・向上等を図る。

蓄積する主な情報

戸建住宅で新築段階に蓄積する主な情報

建築確認

  • 新築住宅の竣工までに建築確認完了検査などの諸手続きのために作成された書類や図面

住宅性能評価

  • 住宅性能評価書及び住宅性能評価を受けるために作成された書類や図面

新築工事関係

  • 住宅が竣工した時点の建物の状況が記録された各種図面や書類で、竣工までの様々な変更が反映されたもの

戸建住宅で維持管理段階に蓄積する主な情報

維持管理計画

  • 住宅の計画的な維持管理に役立つ点検や修繕の時期及び内容の目安となる情報が記載された図書や図面

点検・診断

  • 住宅の点検・調査・診断などを行った時に作成される書類・図面・写真など

修繕

  • 住宅の修繕工事を行った時に作成・提供される書面・図面・写真など

改修・リフォーム

  • 住宅の改修・リフォーム工事を行った時に作成・提供される書類・図面・写真など

住宅履歴情報の活用場面

維持管理の場面

  1. 新築時の設計図面や構造計算書といった書類・写真などの十分な資料があれば計画的な維持管理が容易になります。
  2. 実施した修繕・リフォーム情報も蓄積されるので、その後の維持管理も適切なタイミングで効率よく行えるようになります。

リフォームの場面

  1. 住宅履歴情報からの現況と希望をすり合わせることができ調査や設計施工段階における手戻りやかかり増しがなくなります
  2. 最適な予算と工期で合理的なプランの立案と施工が可能となるので無駄な費用をかけることがなくなります

災害発生の場面

  1. 蓄積された資料をもとにスムーズな復旧補修を行いやすくなります
  2. 住宅設備機器などに不具合が生じた場合の交換なども、残された部品情報・業者情報から間違いなく迅速に補修を行いやすくなります

おうちの売買の場面

  1. 設計・施工や維持管理など住まいのプロフィールを記したものがあるおうちは、購入検討者にとって大きな安心ポイントとなります。
  2. 維持管理・メンテナンスを行ってきたおうちは、その価値を反映した価格評価を受けられやすくなるため、売主となる所有者にとっては資産価値の保全納得のいく売却の実現につながりやすくなります。
まめお

中古のおうちの売買にあたり、見た目には美しくともその機能性や劣化状況など見えない部分に不安が残り情報の不足や不透明性が大きな心理的ハードルとなってきたことを考えると、この住宅履歴情報の存在は、十分な情報の量と透明性を確保するものとなってそうした問題を解消し、安心・納得の円滑な取引と、事後のトラブル発生防止に寄与することになると思います。

まとめ

いかがでいたか?

住宅は建ててしまえば終わりというものではありません。

快適な状態を保ち長持ちさせるためには、建築時に品質の高い丈夫な住宅を建てるだけではなく、点検や修繕などの維持管理を適切に行っていくことがとても重要になってきます。

日本のおうちは優れた点が多いにもかかわらず、建ててから壊されるまでの年数が欧米に比べて非常に短い傾向にあり、まだ使える住まいが次々と建て替えられています。

こうした使い捨てのような住み方は、環境に与える負荷が大きいことはもちろん、住む者にとっても長期的にみた居住費負担が重くなることとつながっていますから、賢く住み継げる、永く快適に住める価値ある住宅が流通していく社会への転換が求められていると思います。

中古のおうちを取得した後も住宅履歴情報をしっかり引き継ぎ、その後の維持管理計画に役立てながら蓄積・情報補完を行っていけば、安心で快適な住まい環境と住宅の価値を維持することができると思います。

住宅履歴情報を作成し蓄積・活用することは、少し面倒なことに思われるかもしれません。

しかし、この記事で見てきたように多くのメリットを生むことでもあり、住まいの質や機能・資産性を維持しながら豊かな住生活を実現するものになると思います。

この機会に是非、住宅履歴情報を作成・活用してみてください。