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それでも希望が

【提案】安心の詰め合わせ!【利用できる制度の組み合わせを考える】

住宅ファイル

こんにちは、まめおです。

あなたの大切な財産であるおうちを売ると決めたとき、また、買うと決めたときに知っておくべき制度は多くあります。

インスペクション
【重要】インスペクションの種類を紹介【安心できる家の見分け方】 こんにちは、まめおです。 家を買うと決めたとき、人生において大きな買いものなのに余りにも情報が少なくて不安になったことはありませ...

インスペクションは、インスペクターや建築士などの専門家がその建物のコンディションについて第三者的立場から公平に調査を行い、劣化状況欠陥の有無、補修すべき箇所などについて診断を行うものです。

保険
【安心】既存住宅売買かし保険を紹介【中古住宅売買の不安を払拭!】 こんにちは、まめおです。 最近、より理想的な住まいを取得するための方法として、中古住宅への関心が高まってきています。 中古...

既存住宅売買かし保険は、安心して住むために求められる中古のおうちの基本的な性能について、専門の建築士による検査で合格してはじめて加入できるもので、万一の場合の補償もセットされいてる保険制度です。

予防
【予防】シロアリ点検、駆除と予防【気になったら早期に対応を!】 こんにちは、まめおです。 新築からそろそろ5年 最近あなたのおうちで気になることはありませんか? 床がきしむ 床...

シロアリ被害の対策には駆除予防があります。

シロアリ被害を未然に防ぐために点検しやすい家の構造にしておくことが大切です。

重要事項説明書
【大切】重要事項説明書の追加項目【とても大切なこと/H30.4.1宅建業法改正】 こんにちは、まめおです。 宅建業者には不動産売買を仲介するにあたり、本人確認や土地・建物に関する基礎的な調査を行い、業者として知...

重要事項説明書には、物件の基本的な情報から権利関係法令に基づく制限、私道について、電気・ガス・水道といったインフラの整備状況などが記されるほか、取引で生じる代金契約解除に関すること、損害賠償違約金について、手付金保全措置や利用ローンの内容などが明記されています。

各種制度が整備されるなか、中古のおうちに対するイメージも少しづつ変化していきているのではないでしょうか?

  1. 少子高齢化や晩婚・非婚化・核家族化などで、住まいをめぐる社会経済の構造も大きく変化してきています。
  2. ライフステージに応じた住み替えニーズや、よりリーズナブルに立地条件のよいオリジナルのマイホームを実現したいというニーズなど中古住宅の売買にも高い関心が集まるようになりました。
  3. もともと海外に比べ新築信仰的な思考が強く中古のおうちをうまく活用できていなかった日本ですが、リノベーションリフォームへの注目が集まっています。
  4. 少しずつ中古住宅への心理的抵抗も軽減され、価値を見直す空気が生まれつつあります。

しかし、新築ならば保証される品質面が、中古のおうちの取引ではサポートされず、見た目には美しくても安心・安全を支える住機能に深刻な欠陥があるかもしれないどのように維持・管理されてきたか分からないといった不安が生じやすいほか、不動産取引特有の仕組みや複雑さも相まってなかなか流通が活性化されない状態が続いてきました。

そこで様々な団体が取引にあたり情報が不足しやすい中古のおうちについて、その品質や維持管理の状態・適正価格などをそれぞれの専門家が個々の物件について現地調査を実施し、その結果を統一フォームにとりまとめて示すなど、スムーズな売買の成立をサポートする仕組みを提唱しています。

中古のおうちを売りたいと考えている人・買いたいと考えている人それぞれに大きなメリットがある仕組みですので、今回はこの制度について見ていきたいと思います。

この記事を読むことによて、中古のおうちの見えにくい情報をオープンにし、また分かりやすくしたいという思いで提唱されている仕組みを知り、自分のできる範囲の組み合わせの考え方などをイメージすることができるようになると思います。

住宅ファイル制度:近畿各府県の取り組み

  1. 「住宅ファイル制度」は近畿各府県の宅地建物取引業協会や不動産鑑定士協会など関連団体が参加する(一社)近畿圏不動産流通活性化協議会が主体となって提唱しているものです。
  2. 売主からの依頼に基づき建築士防蟻業者宅地建物取引士不動産鑑定士など、不動産関連のプロフェッショナルがそれぞれの専門分野において多角的かつ客観的に対象となる中古のおうちの調査や評価を行います。
  3. 統一した仕様書で価格報告書重要事項説明書建物診断報告書白蟻検査報告書を「住宅ファイル報告書」としてひとつにとりまとまっています。
  4. それを基に透明性ある情報開示環境のもと、売主と買主の住宅売買取引を安全・安心に、一般個人でも分かりやすく納得できるかたちで、スムーズに進めやすくするというモデル

具体的な組み合わせ内容

  1. 築年数や見た目では分からない建物としての品質を、インスペクション(建物診断)白蟻点検などでチェックし、詳細な物件の情報をプロフィールとして明らかにします。
  2. 通常の中古物件取引でも用いられる物件調査書重要事項説明書に加え、これらのチェックで得られた詳細物件情報をもとに不動産鑑定士が該当するおうちの適正価格を算出し、担保評価としても利用できます。
  1. 住宅ローンのフラット35適合検査や、耐震診断などもオプションで付けることができます。
  2. 価格報告の資料にはおうちの適正価格といえる調査価格のほか、経済的な残存耐用年数躯体として期待できる残存耐用年数・物件の市場競争力なども記載されます。

メリット

【売主側のメリット】

  1. いずれも築年数や構造などで画一的に評価される価格や耐用年数ではなく、メンテナンス状況などが個々に反映されるため売主の思いやこだわりのつまった住まいをきちんと評価してもらえ納得の価格で譲りやすくなります。
  2. 価値が多面的に評価され、基礎・躯体などの耐用年数やその物件ならではの付加価値もきちんと情報として提供され、価格にも反映されるようになります。
  3. 評価された額を目安に、売出価格最終取引価格を設定したり確認したりすることができます。

【買主側のメリット】

  1. 購入検討時の不安を払拭する十分な資料となります。
  2. 報告書を作成するにあたり実施される調査が購入後に判明した瑕疵をカバーする瑕疵保険の加入に必要な検査も兼ねたものとなっています。
  3. ローンの担保融資につなげやすくなり、税法上の法定耐用年数よりも長い融資期間を設定可能となり、また、金利優遇が受けられます。
  4. 必要なリフォームの見積書長期修繕計画なども資料として添付されるため、長く有用な資料として利用もできます。
  5. 素人の目からは分からない建物の本当の品質や修繕履歴や改修の必要性など詳細情報をまとめて知ることができます。
  6. 維持管理の度合いや今後の耐用年数について目安が得られ、コストパフォーマンスについても考えやすくなります。
  1. 従来なら築年数が古いというだけで敬遠されたり、不当に低い価格がつけられたりしてきたケースも多くありました。
  2. 十分な管理と修繕が行われ高い質が維持されていても、築20年を過ぎるとほぼ無価値のように扱われるケースも多くありました。

【宅建業者のメリット】

  1. 住宅ファイル付住宅であるため買い希望者に対しておうちの品質・安全性等のアピール説得力が増します。
  2. 調査価格も参考となるため、売れやすくなると共に取引成立後の苦情等も軽減されることが期待されます。

【金融機関のメリット】

  1. 担保としてのおうちの評価に住宅ファイルを採用することにより審査コストの軽減金融検査等でのエビデンスとして活用することによる事務コストの軽減が図られます。
  2. 築20年以上経過した物件にも融資の可能性が広がり融資機会が増える可能性があります。
  3. リフォーム代金付ローンリバースモーゲージへの発展も期待されます。

デメリット

1件につき16万円程度の費用がかかります。

まめお

安心・安全で納得のいく中古のおうちの取引を、さまざまな角度からサポートしてもらえるワンストップサービスとなっているため十分に活用するだけの価値があるのではないでしょうか。

まとめ

各地で空き家問題も深刻化するなか、良質な中古のおうちが適正に評価され次に求める人により活用されていく環境を整えることは、社会課題としても早急に取り組むべき課題となっています。

不動産取引は専門性の高い分野で一般の人々にとっては頻繁に体験することではないため、手続きなども初めてのことばかりで、しなければならないことが多岐にわたるにもかかわらず、全体像をみながら進めることが困難となりがちです。

購入を検討する際も1つとして同じものがないため、単純な比較が行えない点も難しいポイントになります。

高額な買い物である上に、住まう人の命にも直結する生活の基礎基盤となるものですから、高い水準の安心・安全と理想を求めるのも当然です。

そこで、この近畿の団体が提唱する「住宅ファイル制度」は、売り手と買い手の双方にメリットをもたらし社会全体を幸福にする仕組みではないでしょうか?

  1. これまでの不動産業界にはなかった客観的な仕様書の作成・評価伝達手段を中古のおうちに取り入れ情報の見える化を進めた仕組みである。
  2. 多分野にわたる専門技術を用いたデータの収集分析をワンストップで実行し、統一的なフォームでの表現を可能にして一般利用者の利便性を高めた仕組みである。

人々の人生設計やライフスタイルの変革にも影響をもたらす取り組みともされ、国全体で推進されている中古住宅流通市場の拡大、既存の住宅資産における適正な評価の実施、空き家抑止につながると期待されています。

また近畿以外でも思いは同じくする各種仕組みが提案されています。

どれもまだまだ確立された仕組みではなく試行錯誤の段階ではありますが、おうちを売る・買うと決めたときに今ある制度を出来るだけ組み合わせ取り入れてみてはどうでしょうか?